【世田谷区の内科】肺炎球菌の予防接種は受けたほうがいいですか?肺炎球菌性肺炎とは
皆さん、こんにちは。
世田谷区の内科・消化器内科【用賀内科・消化器内視鏡クリニック】です。
肺炎は、日本人の死因の第5位の病気です。直接の死因にならなくても肺炎をきっかけに自立度が低下し、自分で身の回りことができなくなり、介護が必要となってしまう高齢者も多くいらっしゃいます。
参考:厚生労働省「令和5年(2023)人口動態統計(確定数)の概況」第6表性別にみた死因順位(第10位まで)別死亡数・死亡率(人口10万対)・構成割合より >
肺炎の一つである「肺炎球菌性肺炎」は、肺炎球菌という細菌に感染することで起こります。
飛沫によって感染が広がる肺炎で、年齢や性別に関係なく誰にでも起こる可能性がありますが、免疫機能が未発達な2歳未満や免疫機能が低下した65歳以上はよりかかりやすくなります。
感染症例の多い「肺炎球菌性肺炎」
肺炎は、
・ウィルスや細菌が肺に感染することで起こる「市中肺炎」
・誤嚥(ごえん)が原因となる「誤嚥性肺炎」
の2種類に分けられます。
成人の市中肺炎のなかで、最も症例数が多いのが肺炎球菌による「肺炎球菌性肺炎」です。肺炎球菌は成人の5-10%、小児の20-40%が保有している鼻腔や咽頭に存在する常在菌で、咳やくしゃみによって周囲に飛び散ります。
症状としては、上気道炎に引き続き、高熱や悪寒、倦怠感があらわれて、咳や痰(鉄さび色)、胸痛が生じるのが肺炎球菌性肺炎の特徴です。肺炎球菌は、肺胞を中心に感染するため、進行のスピードが速く重症化しやすいと言われています。
また、肺炎球菌は肺炎以外にも中耳炎や副鼻腔炎を起こしたりします。さらに、髄膜炎、骨髄炎、血液に細菌が混入する菌血症の原因となることがあり、その場合には死亡率が高くなります。
シニア世代では、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルス感染をきっかけに「肺炎球菌性肺炎」を起こすケースも多くみられます。
肺炎球菌感染症を予防するためのワクチン接種
肺炎球菌ワクチンを接種すると、体内で肺炎球菌感染症に対する免疫が作られます。
これにより、肺炎球菌が体内に侵入した場合でも、発症を予防したり、症状を軽減したりする効果が期待できます。
肺炎球菌には約100種類の血清型が報告されており、感染症を引き起こしやすい23種・15種・13種の血清型に対応するワクチンが3種類あります。
5年毎に接種が必要な莢膜多糖体型ワクチン(ニューモバックス®NP)と、生涯に1回接種すればいい結合型ワクチン(バクニュバンス®・プレベナー13®)があり、両方を接種することでより効果が期待できるためお勧めです。
前述の通り免疫機能が低下している方が感染すると重症化する恐れがあるため、2歳以下や65歳以上の方が主な接種対象となっていますが、脾臓摘出後や脾臓機能不全、免疫抑制状態などの基礎疾患がある方にも接種が推奨されています。
ワクチン接種に関することは「用賀内科・消化器内視鏡クリニック」にご相談ください
肺炎にかかった場合でも、早期に適切な治療を受ければ多くの場合は改善します。
しかし、入院や自宅療養を余儀なくされることで、日常生活動作が低下するリスクもあります。
肺炎球菌性肺炎を予防するためにも、対象となる方にはワクチン接種をおすすめしています。
※なお、肺炎球菌ワクチンはすべての肺炎球菌感染症を完全に防ぐものではありません。
接種対象者になるのか、どれを接種すればいいか、いつ打てばいいか、どちらを先に接種するほうがいいのか、など肺炎球菌ワクチンに関するご質問がありましたら、お気軽にご相談ください。
世田谷区の内科・消化器内科【用賀内科・消化器内視鏡クリニック】は、東急田園都市線「用賀」駅北口から徒歩4分です。
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